ボブ・ディランが1969年ワイト島フェスで3年ぶりのカムバック(そしてザ・フー)

1969年のワイト島フェスティヴァルは8月29~31日にかけて行われた。 観客動員数は合計15万人。 ボブ・ディラン、ザ・バンド、ザ・フー、フリー、ジョー・コッカーらが出演した。 ワイト島のフェスティヴァルはすでに第1回目が前年の1968年に行われており、ま…

ビートルズ『Abbey Road』アルバムジャケット撮影から50周年(1969年8月8日)

ザ・ビートルズはちょうど50年前の8月8日、おそらく彼らにとって一番有名な写真撮影を行っていた。 こちらはその8日の朝、まだ4人が現れる前にロケーションを撮影したもの。 撮影は写真家イアン・マクミラン。フリーランスのフォトグラファーで、ジョンとヨ…

ブラインド・フェイス50周年 なぜクラプトンはこのスーパーグループを脱退したのか?

1969年7月7日、ロンドンのハイド・パークに10万を超える数の人が集まった。 新しいスーパーグループの誕生をその目で確かめるためだった。 新バンド「ブラインド・フェイス」のラインナップは驚くべきものだった。 クリームから二人(エリック・クラプトンと…

エリック・クラプトンの "クリーム・ギター" 「ギブソン ES-335」の歴史を追いかける

5年前にもこのブログで「ES-335」についてふれたことがあった(「エリック・クラプトンのギター② ギブソンES-335」)が、もっと詳しいことが分かったので、あらためてこのギターの歴史を追いかけたい。 "クリーム・ギター" の誕生 エリック・クラプトンがこ…

クリームのラストアルバム『Goodbye』を酷評した当時の雑誌「価値のあるアルバムではない」

「ローリングストーン誌が発売当初に酷評した名アルバム10選」というこの記事には、以下の10タイトルが含まれている。 ジミ・ヘンドリックス 『Are You Experienced』(1967年) レッド・ツェッペリン 『Led Zeppelin』(1969年) ブラック・サバス 『Black …

ザ・フー『Tommy』50周年 ピート・タウンゼントが語るロック・オペラの誕生と自身の子供時代

以下は2013年にピート・タウンゼントが『Tommy』について語ったインタビューの日本語訳(Pete Townshend talks about The Who’s Tommy | The Star)。 ピートは今までもいろいろなところでこのアルバムについて語っているし、このインタビューも今となっては…

キース・リチャーズのフェンダー・テレキャスター「ミコーバー」の歴史を追いかける

キース・リチャーズのトレードマークのようになっているこのフェンダー・テレキャスターは、ローリング・ストーンズが南フランスで『Exile on Main St.』のレコーディングをしていたときに届けられた。 キース27歳の誕生日の祝いにエリック・クラプトンから…

ピートとロジャーが語るザ・フー13年ぶりの最新アルバム

ザ・フーが13年ぶりにリリースする予定の最新アルバムは、現代社会の様々な問題について取り上げているらしい。 たとえば芸能界でいまだに後を絶たないセクハラや性的暴行といった問題から “男性は将来どのように変わらなくてはいけないか” というテーマや、…

デヴィッド・ギルモアの「ブラック・ストラト」をめぐる長く興味深い歴史を追いかける

2019年1月、デヴィッド・ギルモアのギター120本以上がオークションにかけられることがニュースになったとき、彼のトレードマークである「ブラック・ストラト」もカタログに含まれていることがとくに話題になっていた。 このブラック・ストラトは15年間メイン…

Exhibitionism-ザ・ローリング・ストーンズ展 惜しげもなく見せてくれる半世紀の歴史を堪能

開催初日からすでにひと月以上経過しているが、ようやく「Exhibitionism-ザ・ローリング・ストーンズ展」(東京・五反田TOC)へ行ってきた。 ストーンズの "歴史" についてはある程度知っているつもりなので、軽い気持ちで会場に赴いたが、その内容に圧倒さ…

エリック・クラプトン 2019年4月15日@日本武道館セットリスト まだまだ現役バリバリの名演奏を堪能

エリック・クラプトンの3年ぶりの武道館公演が行われている。今回は2日目に行ってきた。 ちょうど3年前の2016年4月に行われた前回の武道館公演では、まだリリースされていないアルバムの収録曲を歌ったり、クラプトン以外のミュージシャンが歌う曲が複数含ま…

リンゴ・スター 1969年1月のインタビュー「人々の望むものに合わせてずっと生きているわけにはいかない」

以下は1969年1月21日に行われたリンゴ・スターへのインタビュー。その数日後にBBCラジオ1で放送されたものである。 1969年1月はビートルズが「Get Back」セッションをしている真っ最中だった。インタビューの日はいわゆる「ルーフトップ・コンサート」の10日…

リンゴ・スター・アンド・ヒズ・オールスター・バンド 2019年4月7日@東京ドームシティホール

リンゴ・スター・アンド・ヒズ・オールスター・バンドが2016年10月以来2年半ぶりに来日して、現在日本縦断ツアーの真っ最中である。全11公演のうち、東京公演の最終日に行くことが出来た。 私は2016年の来日公演をBunkamuraオーチャードホールで観たあと、こ…

ザ・フー「Pinball Wizard」 クラシック音楽に触発されギブソンJ-200で演奏されたロックの名曲を追いかける

1968年の暮れ(または翌69年の始め)ごろ、ザ・フーはまだラフミックの状態だった『Tommy』を音楽評論家のニック・コーンに聴かせた。 しかしコーンはあまりいい反応を示さなかった。 // ピート・タウンゼントはコーンと話し合う中で、このロックオペラは主…

ボブ・ディランとジョニー・キャッシュ 1969年の共演とそれまでの経緯

// ボブ・ディランとジョニー・キャッシュはすでに1960年代前半に出会っていた。二人がディランのピアノに合わせて歌っている様子をとらえた、おそらく1965年のものと見られる映像が『No Direction Home』にも含まれていたのを記憶している。 しかしその以前…

ビートルズのルーフトップ・コンサート 現場に駆けつけた警察は4人を逮捕しようとしたのか?

ザ・ビートルズは1968年夏、このサヴィル・ロウにあるビルを購入し、その地下にスタジオを設置した。のちにリンゴ・スターの『Ringo』やジョージ・ハリスンの『Living In The Material World』などがこのスタジオでレコーディングされることになる。 映画『L…

ジャニス・ジョプリン『チープ・スリル』が "ライヴ風" アルバムになった理由とは?

// ビッグ・ブラザー&ザ・ホールディング・カンパニーは1967年6月、モントレー・ポップ・フェスティヴァルに出演し、そのパフォーマンスが評判となり注目を集めていた。 同67年8月にはデビューアルバムをレコーディングし、12月に『Big Brother & the Holdi…

エドワード・ヴァン・ヘイレンが語る「フランケンシュタイン・ギター」とその飽くなき追及の哲学

ヴァン・ヘイレンを象徴するギター「フランケンシュタイン」は、包帯をぐるぐる巻きにしたような独特のペイントとともに、種々雑多な装置を持ち寄って一体の "モンスター" を作り上げたという歴史も、その名前の由来になっている。 以下はエドワード・ヴァン…

「ジョンはどこかおかしい」『サージェント・ペパーズ』のジャケットをデザインしたジャン・ハワースのインタビュー

// 『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』の有名なアルバムジャケットはイギリスのポップアーティストであるピーター・ブレイクがデザインした、というのは有名な話である。 しかし当時ブレイクの妻であったジャン・ハワースが共同で制作に関わってい…

ローリング・ストーンズを巨大ビジネスに仕立て上げた「ルパート・ローウェンスタイン」とはどんな人物?

// ルパート・ローウェンスタインは、もともとドイツ・バイエルンに先祖を持つ貴族出身で、英国ロンドンを拠点に置く投資銀行家であり、ザ・ローリング・ストーンズの財政面を再生させ、さらには巨大ビジネスへと導いた敏腕マネージャーであった。 1968年、…

ポール・マッカートニー 2018年10月31日@東京ドーム セットリスト(および演奏楽器)

// ポール・マッカートニー「Freshen Up ジャパン・ツアー」が東京ドーム公演で幕を開けた。 セットリストは以下の通り。 ()内はポールの使用楽器。「※」はホーンセクションが参加した曲。 A Hard Day’s Night(ヘフナー・ベース) Hi, Hi, Hi(ヘフナー・…

詩人アレン・ギンズバーグとポール・マッカートニーのコラボレーション「The Ballad of the Skeletons」とは?

// アメリカの詩人アレン・ギンズバーグは、私たちロックファンにとってはボブ・ディランとの関連でもっともよく耳にする名前である。 しかしギンズバーグは死の直前、ポール・マッカートニーとコラボしたことがあった。 ギンズバーグは文学や政治については…

ポール・マッカートニーを支える4人のバンドメンバーが語る「ポールとの共演」

// ポール・マッカートニーが今でも間違いなく現役であり続ける理由の一つに、超一流のミュージシャンで構成されるバンドの存在があると思う。 2000年代初頭にこのバンドが始まったばかりの頃は、ポール・ウィッケンズ(ウィックス)以外の3人は新顔であり、…

50周年を迎えるローリング・ストーンズ『ロックンロール・サーカス』の "意義" を追いかける

// ローリング・ストーンズの『ロックンロール・サーカス』はもともとBBCで放映される予定のテレビ番組として制作された。 最新アルバム『Beggars Banquet』のプロモーションもその目的のひとつだった。 前年の1967年、ストーンズは『Their Satanic Majestie…

エリック・クラプトンの "ザ・フール・ギター" の歴史を追いかける

エリック・クラプトンはこの通称「ザ・フール・ギター」を “サイケデリック・ファンタジー” と呼んでいた。 ザ・フール・ギターという名前が、このギターのデザインを担当した芸術家グループ「ザ・フール」にちなんでいるというのは有名な話である。 1967年…

ヴァン・ヘイレンのファースト・アルバム リリースの40年後にあらためて学ぶ19のこと

// ヴァン・ヘイレンは1978年2月10日、自身の名を冠したデビュー・アルバムをリリースした。 以下は、(熱心なファン以外には)あまり知られていない、このアルバムにまつわる19のエピソードである。 1. ヴァン・ヘイレンはこのアルバムをわずか3週間でレコ…

ピート・タウンゼントが自分のギターの歴史を語ったロング・インタビュー(3/3)および使用機材一覧

(「ピート・タウンゼントが自分のギターの歴史を語ったロング・インタビュー(2/3)」から続く。) 最近の若いギタリストたちで聴き応えがあったり影響力があると感じる人はいますか? たくさんいる。文字通り、何百人もいる。ギターは今や誰でも手に入れる…

ピート・タウンゼントが自分のギターの歴史を語ったロング・インタビュー(2/3)

(「ピート・タウンゼントが自分のギターの歴史を語ったロング・インタビュー(1/3)」から続く。) 1989年のツアーではアコースティックをたくさん弾いていましたが、今でもライヴでアコースティックを弾いていますか?最近はどんなものがお気に入りですか?…

ピート・タウンゼントが自分のギターの歴史を語ったロング・インタビュー(1/3)

以下は2010年3月に「Premier Guitar」に掲載されたピート・タウンゼントのインタビュー。 とても長い記事なので、3回に分けて掲載する。 まずは第一弾。最近のステージでは「エリック・クラプトン・ストラトキャスター」をメインで演奏するに至った経緯につ…

ジミ・ヘンドリックスが半年以上かけてレコーディングした「All Along the Watchtower」

// ボブ・ディランの「All Along the Watchtower」は1967年12月リリースのアルバム『John Wesley Harding』に収録されている。 ディランはその前の数年間にわたり、いわゆるロックバンドによるエレキサウンドのアルバムを作ってきた。 しかし『John Wesley H…