リンゴ・スター・アンド・ヒズ・オールスター・バンド 2019年4月7日@東京ドームシティホール

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リンゴ・スター・アンド・ヒズ・オールスター・バンドが2016年10月以来2年半ぶりに来日して、現在日本縦断ツアーの真っ最中である。全11公演のうち、東京公演の最終日に行くことが出来た。

 

私は2016年の来日公演をBunkamuraオーチャードホールで観たあと、このブログに「これが最後の来日だとは誰も言っていない。また次に会えるときまで私たちも若くあり続けたいと思う」と書いた。しかし正直なところ、リンゴのライヴはあれが最後だろうと思っていた。

 

ありがたいことに私の勝手な思い込みだったわけで、今回も本物のリンゴ・スターを目の前で観ることが出来た。

 

直接関係ない話だが、ミック・ジャガーが心臓の手術を受けるというニュースがあり、60年近くにわたって不死身だったストーンズについて心配せざるを得ない時期でもあったので、同時代のリンゴが現役バリバリで活躍しているのを観れたのは本当にうれしかった。

 

2016年のライヴでもその前年にリリースされたアルバム『Postcards from Paradise』の収録曲は演奏されなかったが、今回も最新アルバムである『Give More Love』の収録曲は演奏されなかった。

 

しかし『Ringo 2012』の「Anthem」が今回演奏されたのは興味深い。この曲は2013年の来日公演のときも演奏されており、アルバムタイトルからも察せられるが、リンゴにとっては特別の曲なのかもしれない。

 

この「Anthem」がセットリストに加えられた代わりに、今回は「Back Off Boogaloo」が外されている。それ以外リンゴの持ち歌に変化はなかった。

 

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へミッシュ・スチュワートは、私たちにとっては1990年と93年にポール・マッカートニーといっしょに来日し、ステージ上でポールの横にいた人としてなじみがある。ポールがギターやピアノを弾くときにはベースを担当し、また『Unplugged』ではポールのドラムをバックに「Ain’t No Sunshine」を歌っていた。

 

そのヘイミッシュを今度はリンゴといっしょのステージで観ることが出来たのは嬉しかった。

 

私はアヴェレージ・ホワイト・バンド時代のこの人の様子はまったく知らないが、ポールといっしょにやっていたときには完全にサポートに徹していて、そのキャラクターはほとんど見えてこなかった。しかし今日のヘイミッシュは自分の持ち歌では観客を盛り上げが、自分の曲でなくてもベースを弾きながらステージの上を歩き回るなど、陽気な雰囲気のパフォーマンスを見せてくれたと思う。

 

対称的にコリン・ヘイがサポートに徹していたのが、少しもったいないようにも感じた。メン・アット・ワークはベスト盤しか聴いたことがないが、今日のコリンのヴォーカルはリリース当時と全然変わらなかった。同じメロディーをオクターヴ違いで歌う「Overkill」などはCDで聴くのとまったく同じで、本当に驚かされた。

 

このバンドを観ていると、オールスター・バンドのメンバー全員がリンゴに対する尊敬があり、リンゴを引き立てることにエネルギーを注いでいることが分かる。その一方で、各自が自分の持ち場になると一流ミュージシャンとして観客を盛り上げることに徹しており、そのプロとしてのチームワークにはいつも感動させられる。

 

セットリストはすでにネットでシェアされているとおりだが、4月7日も以下の通り。リンゴがヴォーカルを取らない曲については()にリードヴォーカルを記した。

 

また※はリンゴがドラムを叩きながら歌った曲。「Don't Pass Me By」の冒頭ではキーボードを演奏。

 

 

 

1. Matchbox

2. It Don't Come Easy

3. Waht Goes On

4. Evil Ways(グレッグ・ローリー

5. Rosanna(スティーヴ・ルカサー

6. Pick Up the Pieces(へミッシュ・スチュワート)

7. Down Under(コリン・ヘイ)

8. Boys※

9. Don't Pass Me By

10. Yellow Submarine

(リンゴはいったん退場)

11. Cut the Cake(へミッシュ・スチュワート)

12. Black Magic Woman(グレッグ・ローリー

(リンゴ再び登場)

13. You're Sixteen

14. Anthem

15. Overkill(コリン・ヘイ)

16. Africa(スティーヴ・ルカサー

17. Work to Do(へミッシュ・スチュワート)

18. Oye como va(グレッグ・ローリー

19. I Wanna Be Your Man※

20. Who Can It Be Now?(コリン・ヘイ)

21. Hold the Line(スティーヴ・ルカサー

22. Photograph

23. Act Naturally

24. With a Little Help From My Friends ~ Give Peace a Chance

 

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