ブライアン・ウィルソン「私を育てた名曲たち」
ザ・ビーチ・ボーイズの『Pet Sounds』50周年記念ライヴのために久々の来日が決定しているブライアン・ウィルソン。
彼が『No Pier Pressure』をリリースした翌月の2015年5月、雑誌「Rolling Stone」に「The Music That Made Me」(私を作った音楽)として以下の8曲をあげ、コメントしている。
ポップ・ミュージックの歴史に残る名曲とともに、意外な選曲もあり興味深い。
1. 「Rhapsody in Blue」ジョージ・ガーシュウィン(1924年)
「ラプソディー・イン・ブルー」は私が耳にした最初の曲だ。
まだ少年だったころ、幼いながらもこの曲を耳にし、「ママ、もう一度かけて!」とせがんだものだ。
ヴァイオリンが入り込んでくるパートがとくに大好きだ。
私はこの曲から押し寄せてくるような美しい振動を感じ取ったのだ。
2. 「Be My Baby」ザ・ロネッツ(1963年)
この歌は、レコードのプロデュースをする私をインスパイアした。
初めて耳にしたとき、私は衝撃を受けた。
フィル・スペクターの紡ぎ出したドラムの音、ハーモニー、ピアノ、そしてギターのサウンド。
それまで聞いた中でもっともすばらしいレコードだと思った。
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3. 「With a Little Help From My Friends」ザ・ビートルズ(1967年)
なんて素晴らしい歌だろう。
歌詞がとても表現豊かで、際立っている。
「Could it be anybody?/I just need someone to love」。
ああ、このパートが大好きだ。
4. 「My Obsession」ザ・ローリング・ストーンズ(1967年)
「Satisfaction」はストーンズで2番目にお気に入りで、一番はこの歌だ。
彼らはこの曲のミックスをしている時、私をハリウッドのスタジオに招いてくれた。
そこに腰かけながら、そのエネルギーと興奮を感じたことを覚えている。
5. 「Johnny B. Goode」チャック・ベリー(1959年)
私は一度飛行機の中でチャック・ベリーと会ったことがある。
「こんにちは、僕はブライアン・ウィルソンです!」って言ったら、彼は「おお」と言ってそっぽを向いてしまった。
彼は私には話しかけてくれないんだ。
すごく残念だった。
しかし彼は私にロックンロールの曲をどのように書くかを教えてくれたのだ。
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6. 「You Stepped Out of a Dream」ザ・フォー・フレッシュメン(1955年)
私はこの曲でハーモニーのアレンジを学び、またファルセットで歌うことを学んだ。
彼らの4パート・ハーモニーは完全に独自なものだった。
5パートや3パートではなく、4パートなのだ。
7. 「Rock Around the Clock」ビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツ(1954年)
私の友人の一人が電話越しにこの曲を初めてかけてくれた時のことを覚えている。
とにかく何度も聴きたいと思った。
8. 「Mr. Tambourine Man」ボブ・ディラン(1965年)
「Hey, Mr. Tambourine Man, play a song for me/I'm not sleepy, and there ain't no place I'm going to. . . .」
この歌詞が大好きだ。
とっても気に入っている。
まさに「詩的」というべき歌詞だ。