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ローリング・ストーンズ 初来日から25周年 当時の音楽誌レポートを読む

 

1990年2月14日、ザ・ローリング・ストーンズは初めての日本公演を東京ドームで行った。

 

もともと1973年1月に日本武道館で行われる予定があったが、バンドメンバーに大麻所持の過去があるため日本政府がストーンズの入国を拒否。結局キャンセルとなった。

 

ファンは17年間待ち続け、ようやく初来日公演が実現した。

 

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2月27日までに断続的に行われた「スティール・ホイールズ・ジャパン・ツアー」は、全部で10公演を数えた。

 

ミック・ジャガーキース・リチャーズも当時すでに40代後半であったため、この来日公演が最初にして最後の来日になると噂されていた

 

ミックが70歳過ぎてもステージを走り回ることなど、当時は誰一人想像できなかったのである。

 

しかしその後もストーンズはワールド・ツアーを行うたびに日本へ立ち寄るようになり、95年、98年、2003年、2006年、そして2014年と、この25年間で6回の来日公演を行ってきた。

 

すでに四半世紀前の出来事となったストーンズ初来日を、アメリカの雑誌「Rolling Stone」誌がレポートしたものがウェブで読める。

 


 

アメリカの観客と日本の観客との違いについて書かれているなど、興味深いものがある。

 

以下、和訳。

 

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マイク・タイソンよりいい気分だ」

 

キース・リチャーズは、代表曲「Happy」を始めるとき、東京ドームの5万人のファンにこう挨拶した。

 

ちょうど3日前、このドーム内でボクシングの歴史が塗り替えられていた。

 

バスター・ダグラスがタイソンを破り、世界ヘビー級王座を獲得したのである。

 

そして今度は、ヘビー級ローリング・ストーンズがロックの歴史を塗り替える番である。

 

 

ストーンズの2月のジャパン・ツアーは、東京ドームで10公演行われ、ここでストーンズは初めて日本のオーディエンスの前に姿を現すこととなった。

 

ミック・ジャガーは1988年にソロ・アーティストとして日本公演を行っている。

 

しかし、ストーンズとしてはメンバーたちが60年代・70年代に麻薬所持による逮捕歴があったためビザが発給されず、今回まで日本に入国できなかったのである。

 

ストーンズが成田空港に到着したときの歓迎振りは、ちょうどブリティッシュ・インヴェイジョンのころ(1960年代半ば)に彼らが経験したことを思い起こさせるものであった。

 

叫び声をあげるファンの一群やカメラマンたちは、2月6日にロンドンから到着したキースとロニーを迎え入れた。

 

ミックとチャーリーは翌日ニューヨークから到着し、同様の歓迎のなかを素早く通り抜けた。

 

ビル・ワイマンはロンドンで重病の父親に付き添っていたため、2月11日にようやく到着した(ビルの父親はその2週間後に死去している)。

 

 

ストーンズは10回行われるコンサートの第一回目を2月14日に行った。

 

5万人の観客はひとり当たり1万円のチケットを購入し、昨年ストーンズがアメリカで行ったのと同じ公演を観たのである。

 

しかし日本のファンにとっては、50万枚のチケットを用意しても足りないようであった。

 

たとえ追加で2週間滞在を伸ばしたとしても売り切れが見込めるほどの人気であったため、1992年にストーンズをもう一度日本に呼ぼうという話がすでに持ち上がっているらしい。

 

ドームで2週間にわたるライヴ・コンサートにより、ストーンズは3千万ドルの収入を得たと言われている。

 

 

東京から外に出ずにすんだことも、このツアーが成功した理由である。

 

1989年のツアーではアメリカ中を飛び回り、そのために4つのステージを用意する必要があったのだ。

 

さらに日本公演で使ったステージをアメリカに持ち帰る必要はなかった。鉄くずとして売却できたからである。

 

 

日本の観客はとても熱狂的であった・・・ある時点まではだが。

 

どの公演でも、観客はコンサート中はずっと立ちっぱなしだった。

 

しかし、アメリカ人の観客との決定的な違いがある。

 

それは、日本人はコンサートのあと建物から列をなして出てゆくことだ。座席のセクションごとに退出の許可が出るまで、彼らは座って待っているのである。

 

 

残念なことに、ストーンズのツアーはビル・ワイマンの父親の死により悲しいものとなってしまった。

 

またキースの義理の母は、心臓発作のため東京の病院に入院し、日本での全公演が終わったあともそのまま入院したままであった。

 

この後ストーンズは4月30日にパリで集まり、ヨーロッパ・ツアーのためにリハーサルをする。

 

ヨーロッパ・ツアーは5月後半にオランダのロッテルダムからスタートし、8月のモスクワ公演まで続く。

 

さらにその後、スタジオでのセッションも予定されているという。

 

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この来日公演のうち、2月26日のものが公式ブートレッグとして「The Official Rolling Stones Archive」からダウンロードできるようになっている。 

 

(リンク) 

The Official Rolling Stones Archive | Bootleg years | 1990

 

ここでは音源のダウンロードのみならず、ストーンズ公認フォトグラファー有賀幹夫氏による数多くの写真、またセットリストやツアーの全日程なども見ることができ、当時を知るファンには懐かしいものばかりである。

 

さらには2015年10月14日、初来日公演を収めたDVD/Blue-ray『ライヴ・アット・ザ・トーキョー・ドーム 1990』が発売される。

 

こちらもダウンロード音源と同じく2月26日の映像が収録されているといわれている。

 

ストーンズ - ライヴ・アット・ザ・トーキョー・ドーム 1990【通常盤DVD+BONUS DVD/日本語字幕付】