ジミ・ヘンドリックスをバック・バンドに従えてに歌った「バディ&ステイシー」とは何者か?
YouTubeで見ることができるこの動画は、ジミ・ヘンドリックスの登場するもっとも古い映像と言われている。
後ろで左利きでギターを弾いているのがジミとされているが、その手前で歌い踊る二人組は「バディ&ステイシー」と呼ばれるコンビである。
ジミ・ヘンドリックスをバックに従えて歌うという“偉業”を行っているこの二人組は、果たして何者なのか?
【バック・バンド時代のジミ・ヘンドリックス】
ジミは1964年1月、ソロアーティストとしていったんは独立したが、その後オーディションを経て、アイズレー・ブラザーズのバック・バンドにギタリストとして参加した。
しかし間もなく脱退。その後、リトル・リチャードのバック・バンド「ジ・アップセッターズ」に加入した。
(↑左端で左利きでギターを弾いているのがジミ・ヘンドリックス)
ジミはこのバンドのギタリストとしてレコーディングやツアーに参加することになる。
【ジミ初のTV出演】
翌年の1965年7月、ジ・アップセッターズはナッシュヴィルのチャンネル5の音楽番組「Night Train」に出演し、このバディ&ステイシーと共演した。
これはジミ・ヘンドリックスにとって最初のTV出演となった。
上に載せたYouTubeの動画はその時のものと言われている。
【バディ&ステイシーについて分かっていること】
バディ&ステイシーは、バディ・トラヴィスとリロイ・“ステイシー”・ジョンソンJr.によるデュオである。
このデュオは2枚のシングル盤をリリースしたのみで、ステイシーの死去により活動が終わった。
ステイシーの生前は、リトル・リチャードをはじめB.B.キングやグラディス・ナイトらと共演したこともあったという。
ステイシーの死後、バディーはコーラス・グループへの参加やTV出演、さらにはレストランの経営などを行う一方、ゴスペル歌手としてCDリリースをしている。
【その後のジミ・ヘンドリックス】
ジミはリトル・リチャードと折り合いが悪かったといわれている。
時間管理や衣装、またジミがステージ上で見せた滑稽なしぐさなどをリチャードが好まなかったらしい。
また、このころはすでにリチャードの人気は衰えており、ジミが唯一参加したシングル「I Don't Know What You Got (But It's Got Me)」も92位に一週間だけ登場したのみで、その後100位以下に落ちてしまうという状態だった。
結局、バディ・&ステイシーとTVで共演したのと同じ1965年7月、ジミ・ヘンドリックスは解雇されバンドを去っている。