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ジェフ・ベック 『Loud Hailer』をめぐる近況を語る

ジェフ・ベック

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ジェフ・ベックは7月15日、6年ぶりのスタジオ・アルバム『Loud Hailer』をリリースした。

 

最新インタビューRockceller Magazine「Jeff Beck: The Interview」では、このニューアルバムについて熱く語る様子が伺える。

 

この記事は72歳にして歩みを止めないジェフ・ベックが語る、含蓄のある人生哲学から始まり、とても印象深い。

 

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自分が言えることは、そこそこの成功の上に決して安住しない、ということだ。

それは探究心と退屈、その両方が混ざったものからきていると思う。

私はいつも今日のなかに明日を探している。

その時の私の音楽活動に参加しているのが誰であれ、私はその人たちと協力して活動を続け、自分の進む方向を見つけ出す。

注意深く見てゆけば、そこに答えが必ず見つかるものだ。

 

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2016年のジェフ・ベック・グループとしてこれ以上のバンドメンバーを思い付くことはできない。

私は自分の演奏をシンプルにしたので、『Truth』のサウンドにきわめて近いものが聴けると思う。

演奏を意図的にシンプルにして、メロディが最高の形で聞けるようにしたのだ。

 

私の音楽がどうあるべきか、私がどのような音楽を演奏すべきか、という一般の意見に縛られたくはなかった。

ファンの意見から離れ、誰も予想していないことをする必要があった。

私はいつも過去に対して背を向けてきた。

どんな成功をしたか、もしくは失敗をしたかを思い返してみても、それほどいい効果があるとは思わない。

古くて大きなドリルを取り出して、今進んでいるトンネルを掘り続けたほうがいいのだ。

 

私は2001年ニューヨーク同時多発テロ以降続いている出来事を深く考えてきた。

そして、誰かが前向きなことをやらなければいけないと考えたのだ。

あの事件のある一面についての話ではない。

まだ答えがわからない問題がたくさんある。

しかし私にとっては、「私たちはどこへ向かっているのだ?」というのがその問題だった。

 

私はデヴィッド・ボウイの曲「Where Are We Now?」を初めて聞いたとき、とても感動したことを思い出す。

私は世界で起こっているあらゆることを考え、とても興奮した。

今回のバンドの二人の女性メンバーと会ったことは、そんな私の考えを展開するために願ってもみないことだった。

特にシンガーの女性はとても表現豊かで、(アルバム収録曲の)歌詞も書いてくれた。

 

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このアルバムではシンガーという一人の人物を中心に置き、その周りで音楽が出来上がっていった。

リード・ギタリストとして演奏する ― それが私のやりたいことだったのだ。

インストルメンタル・アルバムでは私がメロディを、続いてソロを弾く。

しかし、たとえ同じコンセプトで音楽を作ったとしても、やはり(ヴォーカルとリード・ギターという)やり方のほうがより効果的であることは分かっていた。

私は人の声を必要としていたし、歌詞もとても良かった。

 

このアルバムの試みは私にとって最も危険なことだと感じていた。

失敗に終わるか、それとも立派なアルバムになるか、どちらかだと分かっていた。

しかし私はそのリスクを負う準備ができていたのだ。

別に私が非難されてダメになっても、誰も気にしないだろう?

これが私の到達点であり、アーティストとして表現したいことなのだ。

 

私の母は、人を過小評価してはいけない、自分を人より上においてはいけない、うぬぼれに目をくらまされてはいけない、と教えてくれた。

これは母がとても強く意識していたと同時に、私に対してめったに言わなかったことでもある。

私は母に「ちょっとはうぬぼれてもいいよね?」と思わず言ったものだ。

 

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この記念ライヴ(※「50 Years of Jeff Beck」) をどのような構成にするか考えなければいけないんだ。

※ ジェフ・ベックのキャリア50周年を祝う特別コンサートで、8月10日にハリウッド・ボウルで開催される。スティーヴン・タイラーバディ・ガイらがゲスト出演することが発表され、話題になった。

 

2時間半のあいだで、私のキャリアのなかでも重要な部分 ― ヤードバーズ時代、ロッド・スチュワート時代、『Blow by Blow』時代、スティーヴィー・ワンダー時代、テクノ時代、そして今の新曲 ― から1曲か2曲を選び出して演奏する。

同じバンドで過去の異なった時代の曲をやるのか、それとも当時のミュージシャンたちとやるのか、決める必要がある。

このために私はあらゆる負担を負わなければいけないし、またそれほどのスペースはハリウッド・ボウルにはない。

でもきっと何かすごいものになるだろう。