【書評】 『さよならビートルズ』(中山康樹)
タイトルを見る限り、いわゆる”ビートルズ本”
そういう意味では文化史・社会史に関する本として読める。
(つまりもっぱらビートルズだけについて知りたい人には、
占領軍のアメリカ兵士が聞くために開設された英語ラジオと、
それに続くエルビス・プレスリーの登場と、和訳カバー・
そしてビートルズが日本で現象となった1966年の来日公演以前
今日、ビートルズが現役として活躍した60年代は、
常にビートルズ旋風が吹き荒れ、 日本でも若者の大半がビートルズを聴いていたように思われている 。
その結果「ビートルズ世代」という言葉も生まれた。
しかし、それは過去をあまりにも簡単にまとめようとする、後の世代(つまり私たち)の勝手な都合であるようだ。
「団塊の世代」はともあれ「ビートルズ世代」
という表現は、あまりにも茫洋としている。
(中略)
それは「世代」と呼べるほど大規模なものではなかった。
さらには、
当時を知らない私たちの世代にとっては、「そうだったの!?」
「60年代=ビートルズ」という単純な話ではない。
日本は独自の受け入れ方でビートルズらの音楽を吸収し、