リンゴ・スター ニューアルバム『Postcards from Paradise』リリースに向けたインタビュー
リンゴ・スターは3年ぶりのニューアルバム『Postcards from Paradise』をリリースした。
このリリースにあたり、リンゴが行った電話インタビューが「radio.com」のサイトに紹介されている。
インタビュアーは「彼はインタビューされることよりも、会話そのものを楽しんでいる」と、リンゴの印象を述べている。実際、以下の受け答えを読んでみると、リンゴの気さくな人柄を感じることが出来ると思う。
Q. もう数年前になりますが、ジョン、ポール、ジョージからもらった葉書を載せた『Postcards from the Boys』という本を出版していますね。今でも葉書のやり取りをするのですか?
今はもう葉書のやり取りはしないね。メールばかりだよ。
正直言って、ほとんど誰も葉書を送ってくれることはなくなった。
僕たち(元ビートルズのメンバーたち)には昔からの習慣があるから、ポールは今でもたまに葉書を送ってくれることがあるけど、昔ほどではないよ。
Q. オールスターバンドが上手くいっているのは、なぜでしょう?
オールスターバンドのメンバーたちはお互いとてもなじんでいると思う。
みんなも気づいているとおり、今のメンバーでもう3年目になる。
僕はこのバンドが大好きだ。
プロモーターからツアーのオファーが来ると、僕はバンドのみんなに伝える。するとみんな「もちろん」って言ってくれるんだ。
今年の夏にツアーをしない理由は、僕が夏休みをとるためだよ!秋には再開して、カナダとアメリカの東海岸でライヴをたくさんやる予定だ。
(注:2013年の来日メンバーから、サックスのマーク・リヴェラがウォーレン・ハム(写真右端)に変更になっている)
Q. ニューアルバム収録の「Island in the Sun」が、オールスターバンドと一緒にスタジオで作った初めての曲ですか?
今まで25年間、その時どきのオールスターバンドのメンバーをスタジオに招いて、曲を書いてレコーディングしようとしてきた。
一番初めのバンドメンバーたち(ジョー・ウォルシュ、ドクター・ジョン、リヴォン・ヘルムなど)と始めたときすでに、僕は「このメンバーで曲を書くべきだ」と思ったよ。
でもなかなか実現しなかった。
去年の夏、サウンドチェックでジャムセッションをしていたんだ。
それが形になってきた。メンバーみんなが曲が出来てきているのに気づいた。
その次のサウンドチェックのとき、そのジャム曲から始めて、どんどん改良していった。
三度目のサウンドチェックのときには、曲が出来上がっていたんだよ。
(ミシシッピー州の)ビロクシでライヴをするころには、私はみんなに声をかけ、「僕の部屋に来てくれ。この歌を書き上げよう!」と言ったんだ。
こうしてこの曲が出来上がったんだ。
リチャード・ペイジがいくつか書き、僕がいくつか書き、トッド・ラングレンがいくつか書き、それをひとつにまとめて「Island in the Sun」が出来上がった。
そしてみんなで僕のゲストハウスに行って、レコーディングしたんだ。
Q. 何年か前に、カントリーミュージシャンで構成したオールスターバンドを考えている、と言っていました。将来やりたいと思いますか?
ゲイリー・ニコルソン(ニューアルバムで「Let Love Lead」を共作)はナッシュヴィルの出身で、いつも僕を呼んでアルバムをつくろうとしていた。
僕はすでに1970年にカントリーレコードを作っている。
いいアイデアだと思うし、ぜひまたやりたいと思う。
いつかやろうと思っていることなんだ。
もし『Beaucoups of Blues』(1970年)のときみたいに素早くできたら素晴らしいだろうね。
あのアルバムにはたった2日しかかからなかったんだよ。
Q. ニューアルバムからライヴのセットリストに追加される曲はありますか?
ニューアルバムからは「Postcards from Paradise」と「Islands in the Sun」をやるよ。
Q. タイトルソング「Postcards from Paradise」にはビートルズの曲のタイトルがたくさん出てきますが、このアイデアはどのように思いついたのですか?
急にひらめいたんだ。
腰を下ろしてラヴソングを書こうとしていた。
恋人たちは「Mr. Moonlight」の下で愛し合う、という曲だ。
「Mr. Moonlight」を歌の中に入れたかったんだ。
続いて「Love Me Do」と「Eight Days a Week」を思いついた。
そうすると頭の中でどんどん膨らんでいって、これはいいアイデアだと思ったんだよ。
とにかく歌のことは考えずに、曲のタイトルをたくさん書き出した。
それをトッド・ラングレンに渡して、曲のタイトルを使って歌を書くという僕のアイデアを話した。
トッドがこれをまとめてひとつの歌にしてくれたんだ。
でも「I’ll love you when I’m 64」という歌詞には笑っちゃったよ。
もうその歳は過ぎてるんだから!
Q. Rock and Roll Hall of Fame 授賞式でのパフォーマンスでは、どの曲を演奏する予定ですか?
どの曲をやるかもう考えていて、決まっているんだ。
ゲストも何人か呼んで、一緒に演奏する。
でもどの曲をやるかは言わないよ!
サプライズがなくなっちゃうからね。
一曲だけ教えてあげよう-「Yesterday」だよ(笑)
Q. 授賞式ではポール・マッカートニーがプレゼンターとして登場しますが、ポールもあなたのソロ曲のためにベースを弾くでしょうか?
いいや、バンドにはもうちゃんとしたベースプレイヤーがいるから(笑)。
冗談だよ、ポールは最も優れたベースプレイヤーだ。
地球上で最もメロディアスなベースラインを弾く。
僕はポールが大好きだ。
そしてみんなのことも大好きだ。
Peace and love! Goodbye!