ボブ・ディランのもう一つの顔 「造形アーティスト」としてのディラン
ボブ・ディランがシンガー・ソングライターのみならず、画家として個展を開いたり画集を出版したりしていることは有名である。
あまり知られていないもう一つの顔として、鉄鋼材を溶接して造形アートを創るということもやっているのである。
すでに一年前になるが、英国ロンドンのギャラリーで、ディランが創作した鉄鋼造形アートの個展が開かれ、このような作品が展示された。
以上、出典:Bob Dylan, Mood Swings - Exhibitions - Halcyon Gallery
以上、出典:Bob Dylan: Mood Swings exhibition - Telegraph
本当にディラン本人が造ったのか、と思われる方のために…
以上、出典:Bob Dylan's homemade iron gates to go on display at London's Halcyon Gallery | Daily Mail Online
以下はボブ・ディラン本人のコメント。
子供の時から私はずっと鉄に囲まれてきた。
鉄鉱が空気のように身近で毎日その匂いをかぐことができる国で、私は生まれ育った。
だから私は今まで、鉄でいろいろな形のものを造ってきたのだ。
門は私にとって特別なものに感じる。
それは門が良くないことを受け入れるからだ。
門は閉じることができるのと同時に、季節とそよ風を入れて流すこともできる。
門はあなたを追い出すこともできるし、閉じ込めることもできる。
見方によっては、何の違いもないとも言えるだろう。
ボブ・ディランの育ったミネソタ州ヒビングは、「鉄鋼山脈」と呼ばれていた地帯に属する。
「子供のころから鉄に囲まれていた」というのは、このことを指すのであろう。
また私は「門」のイメージは、ディランのイメージを呼び起こさせるように感じる。
ディランの造る鉄の門は、外からの侵入を防ぐ一方、門の向こう側を見通すことができる。
ディラン自身は歌、本、映画、絵画など、自分の創造物を惜しげもなくさらけ出す一方、本人のプライベートはよくわからない。
見通しがよさそうに見えて、門のある地点から先は決して見せない、そんなイメージがディランと重なるように思えるのである。