エリック・クラプトンがすすめるB.B.キングのアルバム『Live at the Regal』とは?
2015年5月14日にB.B.キングが亡くなった際、数多くの著名なミュージシャンたちがこの偉人の死を悼んだ。
当然のことながらエリック・クラプトンも、自分の“師匠”に捧げるコメント動画を自身のフェイスブックに載せた。
悲痛な面持ちで語るクラプトンの様子は世界中で試聴された。
このコメントの中でクラプトンは、B.B.キングの作品になじみのない人に対して『Live at the Regal』というアルバムをすすめている。
(http://galleryhip.com/bb-king-live-at-the-regal.html)
「若い演奏家であった私にとって、これが全ての始まりだった」と語るこのライヴアルバムとは、一体どんなものなのか。可能な限り情報を集めてみた。
【リリース】
・リリースされたのは1965年であるが、収録されているパフォーマンスは前年1964年11月21日のものである。
・B.B.キングは当時39歳。これが初めてのライヴアルバムであった。
【リーガル・シアター】
・タイトルの「the Regal」は、このパフォーマンスが行われた「リーガル・シアター」のことで、イリノイ州シカゴにあった。
・リーガル・シアターは1928年にオープンしたナイトクラブで、ライヴ会場としても頻繁に使われた。ナット・キング・コール、ルイ・アームストロング、エラ・フィッツジェラルド、サミー・デイヴィス・ジュニアなど、B.B.キングと時代を共にしたミュージシャンたちがライヴを行った。
(1941年のリーガル・シアター)
・このB.B.キングのライヴから4年後の1968年、リーガル・シアターのビジネスは行き詰まり、経営破綻。1970年までに閉館し、73年に建物も取り壊されている。
【評価】
・『Live at the Regal』はローリング・ストーン誌の「500 Greatest Albums of All Time」で141位に選ばれている。「白人のロックファンたちがブルースと言うものを発見した」アルバムとして「ライヴの決定版」であると評されている。
・また同じくローリング・ストーン誌の「50 Greatest Live Albums of All Time」では5位に選ばれている。
・音楽サイト「All Music」のレビューでは「B.B.キングは歌手として、ギタリストとして、そして天性のエンターテイナーとして時代を越えた存在であるが、このアルバムではその3つの要素すべてを楽しむことができる」と紹介されている。
・このアルバムではデューク・ジェトロというミュージシャンがバックでピアノを弾いているが、彼は本来オルガン奏者である。ちょうどこのライヴが行われるとき彼のオルガン(HammondB3)は修理に出ていたため、今まで弾いたことのなかったピアノをこの夜初めて弾くこととなった。それにもかかわらず、彼のこのアルバムでのピアノ演奏は高く評価されている。
・B.B.キング本人は「あの日、シカゴではすべてがひとつになったのだ」と語っている。
【後進への影響】
・エリック・クラプトン、ジョン・メイヤー、マーク・ノップラーらは、ステージに上がる前に楽屋でこのアルバムを聴いてムードをあげる、と伝えられている。
・ジェフ・ベックは最も影響を受けたアルバムのひとつとして、このアルバムをあげている。
CD
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ギター譜(タブつき)
Live at the Regal (Guitar Recorded Versions)