ジェフ・ベック@パシフィコ横浜(2014年4月14日) ライブ・レポート
ジェフ・ベックの4年ぶりの来日公演も後半に突入。横浜公演についての覚書を残しておきたい。
すでに完成され、リリースも間近といわれる最新アルバムからの新曲と思われる曲が数曲含まれており、曲名の判然としないものもあるため、セットリストは後日追ってアップする。
これらニュー・アルバムからの新曲のみならず、2010年リリースの『エモーション・アンド・コモーション』からも「Hammerhead」と「Corpus Christi Carol」が演奏された。
もちろん「Led Boots」や「Big Block」など往年の名曲たちも堪能できたライブであった。
4年前の公演ではキーボードがサポートバンドに含まれていたが、今回はキーボードの代わりにサポートギター(ニコラス・マイヤー)がついていた。
途中、このニコラス・マイヤーのアコースティック・ギターで日本の「さくら」のフレーズが演奏され、観客が沸きあがるという一幕もあった。
ジェフ本人も、いつもの白のストラトキャスター(ジェフ・ベック・モデル)に加え、テレキャスターに見えるものも弾いていた。
ボトルネックで神業をみせる「Angel (Footsteps)」も演奏されたが、途中ではずしたボトルネックを見失ったり、アンコールの「Cause We've Ended as Lovers」の演奏中に弦が切れ、スペアのギターで引き続けるなど、ハプニングもあった。
しかしジェフ本人はいたって上機嫌であったように見えた。
客に向かって手を振り、また演奏の途中で右手手首につけていたブレスレットを投げ捨てるなど、リラックスした様子も見せた。
何よりギターを弾いていることを楽しんでいることが伝わってくる、そんなステージであった。
常に進化、変化、更新を続けるギタリスト。過去の再現に終始するのではなく、現在進行形で歩み続けるミュージシャン。
客の期待していることを想定して、それに応えてゆくエンターテイメントではない。客であるわれわれが、このギタリストの変化を読み取り、追いついてゆく必要がある。
その意味で、ジェフ・ベックはパフォーマーである以上にアーティストであると思う。
ジェフ・ベックはまだまだやってくれる、そんな気がした。
今はとにかくニュー・アルバムの発売を待つばかりだ。