ポール・マッカートニー 2017年4月27日@東京ドーム セットリスト(および演奏楽器)
ポール・マッカートニー「One on One ジャパン・ツアー」東京ドーム公演初日のセットリストは以下の通り。
()内はポールの使用楽器。
- A Hard Day’s Night(ヘフナー・ベース)
- Junior’s Farm(ヘフナー・ベース)
- Can’t Buy Me Love(ヘフナー・ベース)
- Letting Go(ヘフナー・ベース)
- Temporary Secretary(ヘフナー・ベース)
- Let Me Roll It~Foxy Lady(レスポール・デラックス)
- I’ve Got a Feeling(レスポール・デラックス)
- My Valentine(ピアノ)
- 1985(ピアノ)
- Maybe I’m Amazed(ピアノ)
- We Can Work It Out(マーティン・アコースティック)
- In Spite of All the Danger(マーティン・アコースティック)
- You Won’t See Me(マーティン・アコースティック)
- Love Me Do(マーティン・アコースティック)
- And I Love Her(マーティン・アコースティック)
- Blackbird(マーティン・アコースティック、ポールのソロ)
- Here Today(マーティン・アコースティック、ポールのソロ)
- Queenie Eye(マジック・ピアノ)
- New(マジック・ピアノ)
- The Fool on the Hill(マジック・ピアノ)
- Lady Madonna(マジック・ピアノ)
- FourFiveSeconds(マーティン・アコースティック)
- Eleanor Rigby(マーティン・アコースティック)
- I Wanna Be Your Man(ヘフナー・ベース)
- Being for the Benefit of Mr. Kite!(ヘフナー・ベース)
- Something(ウクレレ/マーティン・アコースティック)
- Ob-La-Di, Ob-La-Da(ヘフナー・ベース)
- Band on the Run(ヘフナー・ベース)
- Back In the U.S.S.R.(ヘフナー・ベース)
- Let It Be(ピアノ)
- Live and Let Die(ピアノ)
- Hey Jude(マジック・ピアノ)
[アンコール]
- Yesterday(エピフォン・テキサン)
- Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band (Reprise)(ヘフナー・ベース)
- Hi, Hi, Hi(ヘフナー・ベース)
- Birthday(ヘフナー・ベース)
- Golden Slumbers~Carry That Weight~The End(ピアノ/ギブソン・レスポール)
武道館と比較するべきではないのかもしれないが、セットリストの曲数は武道館よりもドームのほうが多い。
これは2015年の来日公演のときと同じである。
武道館で「Band on the Run」をやらないのはなぜだろうか?
【衰えないヴォーカル力】
一昨日の武道館と比べると、今日のほうがポールの声の調子が格段によかった。
正直なところ、おとといの武道館でのポールのヴォーカルはとても不安定で、最後まで声が持つのだろうかと聴いていて不安になったものだ。
しかし今夜のポールは、2年前の「Out There Tour」で聴かせてくれたときと変わらぬ70代とは思えない力強いヴォーカルだった。
もちろん異なる会場・異なる座席での聞こえ方の違いもあるので、この比較は個人の感想に過ぎない。
またおとといの武道館は2016年10月に出演した「Desert Trip」以来の本格的なコンサートだったため、半年のブランク明けのせいもあったかもしれない。
いずれにせよ今日の声を聴いて私は大いに安心したし、衰えを感じさせない歌声を保ちつづけるそのプロフェッショナリズムにあらためて感服した。
「Letting Go」
ポールはコメントしなかったが、「Letting Go」は日本初公開だったのでは?
この曲ではブライアン・レイがギターソロを弾いていた。
ポールがベースを弾かないときはブライアンがベースを弾くため、必然的にブライアンがギターを弾く曲が少なくなる。
そのためこの人のギターソロが前面に出される曲も珍しい。
しかし今日の「Letting Go」で聴かせてくれたギターソロは、ブライアンがすぐれたギタリストであることを示していたと思う。
「FourFiveSeconds」
シングルリリースされた「FourFiveSeconds」ではリアーナとカニエ・ウェストのヴォーカルばかりが前面に出ていて、ポールの声はバックに回されてしまっている。
ポールのファンがポールの曲として聴くと拍子抜けしてしまう感がある。
しかし今夜ポールはこの曲を自分の歌として歌いこなし、さらには背後のスクリーンに歌詞を映し出して観客もあわせて歌うよう盛り上げていた。
ポールのエンターテイナーとしての能力が発揮されたパフォーマンスであった。
言い尽くされた表現だが、文字通り「衰えを感じさせない若々しさ」という言葉がやはりポールのパフォーマンスで感じることだと思う。
そして東京ドームのような巨大会場であっても、観客一人一人にしっかりと伝わるライヴをやり続ける人だということも、あらためて感じた。
だからこそ、私たちはいつまでもポールのコンサートを「モットキキタイ」と思い、「マタアイマショウ」というポールの(とりあえずの)別れの言葉を信じるのである。