ビートルズ伝説のシェア・スタジアム・コンサートを実現させたプロモーター シド・バーンスタイン氏死去
1962年にレコードデビューしたビートルズは、翌63年にイギリスで大ブレイクし、さらに64年にはアメリカに進出した。行くところすべてで大歓声に迎えられる、いわゆる「ビートルマニア」の時代である。
アメリカでの確固たる人気が、このバンドの音楽、さらには20世紀文化の代表的存在としての地位を不動のものにした。
これはもちろんこの4人のみで成し得たことではなかった。数々の立役者が彼らの後ろで大きな役割を果たした。
まだイギリスでブレイクしたばかりのビートルズをアメリカに呼び寄せ、大成功に導いた立役者はシド・バーンスタインという大物プロモーターであった。
その時まだアメリカではビートルズはさほど人気がなかった。人気が出てからでないとアメリカでの成功はおぼつかない、という理由でビートルズのマネジャー、ブライアン・エプスタインはアメリカ進出に消極的であった。
しかしバーンスタインは粘り強く交渉を続けた。その結果、ついにカーネギーホールでのコンサートの契約にこぎつけた。さらには人気音楽番組の出演が決定し、「I Want to Hold Your Hand」も大ヒット。おかげてカーネギホールのチケットはいち早く売り切れた。
さらにはシェア・スタジアムでのコンサートを計画。シェア・スタジアムの担当者は55,600枚ものチケットが売れるとは思えず憂慮したが、結果はカーネギーホールの時と同じく大成功となった。
時代を作ったビートルズ。そのビートルズ時代の一端を担ったバーンスタイン。その彼が今月8月21日、95歳の大往生を遂げた。
シェア・スタジアムで「Ticket to Ride」を演奏するビートルズ。
「Ticket to Ride」はアルバム「ヘルプ!」に収録。