【2010年代まとめ】70代になっても衰えを知らないロックの巨人たちの10年間を追いかける

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ロックの歴史は1950年代、60年代、70年代・・・と年代別に区切って語られることが多い。

 

ということはこの2019年で終わる「2010年代」についても、将来は一つの区切りとしてまとめられて振り返ることになるのだと思う。

 

以下、このブログで取り上げてきたアーティストに限定して、2010年から2019年までの彼らの活動を時系列で振り返ってみた。

 

新作スタジオアルバムのリリースと来日公演を年代順にまとめ、そのほか特筆すべきことがあれば付け加えた。

 

 

 

2010年

1月 リンゴ・スター『Y Not』リリース

2月 シカゴ来日公演(東京、神戸)

3月 ボブ・ディラン来日公演(大阪、名古屋、東京)

4月 ジェフ・ベック『Emotion and Commotion』リリース

4月 ジェフ・ベック来日公演(名古屋、大阪、東京)

9月 エリック・クラプトン『Clapton』リリース

10月 エルトン・ジョン『The Union』リリース

 

2011年

3月 イーグルス来日公演(大阪、名古屋、東京)

10月 ポール・マッカートニー『Ocean's Kingdom』リリース

11月 エリック・クラプトンスティーヴ・ウィンウッド来日公演(札幌、横浜、大阪、福岡、広島、金沢、名古屋、東京)

11月 エアロスミス来日公演(金沢、広島、東京、福岡、大阪、名古屋、札幌)

11月 ザ・ビーチ・ボーイズ『The SMiLE Sessions』リリース

 

2012年

1月 リンゴ・スター『Ringo 2012』リリース

2月 ポール・マッカートニー『Kisses on the Bottom』リリース

2月 ヴァン・ヘイレン『A Different Kind of Truth』リリース

6月 ザ・ビーチ・ボーイズ『That's Why God Made the Radio』リリース

7月 ロンドンオリンピック ポール・マッカートニーが開会式で、ザ・フーが閉会式で演奏

8月 ザ・ビーチ・ボーイズ来日公演(千葉、名古屋、大阪)

9月 ボブ・ディラン『Tempest』リリース

10月 シカゴ来日公演(東京、大阪、新潟)

11月 エアロスミス『Music from Another Dimension!』リリース

 

2013年

2月 リンゴ・スター&ヒズ・オールスター・バンド来日公演(東京、名古屋、大阪)

3月 エリック・クラプトン『Old Sock』リリース

4月 ディープ・パープル『Now What?!』リリース

6月 ヴァン・ヘイレン来日公演(名古屋、東京、大阪)

8月 エアロスミス来日公演(千葉、名古屋、大阪)

9月 エルトン・ジョン『The Diving Board』リリース

10月 ポール・マッカートニー『NEW』リリース

11月 ポール・マッカートニー来日公演(大阪、福岡、東京)

 

2014年

2月 エリック・クラプトン来日公演(東京、横浜、名古屋、大阪)

2月 ザ・ローリング・ストーンズ来日公演(東京ドーム)

3月 ボブ・ディラン来日公演(東京、名古屋、福岡、大阪)

4月 ディープ・パープル来日公演(名古屋、大阪、東京)

4月 ジェフ・ベック来日公演(東京、札幌、岩手、横浜、名古屋、大阪)

5月 ポール・マッカートニー来日。全日程キャンセル

7月 エリック・クラプトン『The Breeze: An Appreciation of JJ Cale』リリース

7月 ピンク・フロイド『The Endless River』リリース

7月 シカゴ『Chicago XXXVI: Now』リリース

10月 ジャック・ブルース死去(71歳)

 

2015年

2月 ボブ・ディラン『Shadows in the Night』リリース

3月 リンゴ・スター『Postcards from Paradise』リリース

4月 ポール・マッカートニー来日公演(大阪、東京)

4月 ブライアン・ウィルソン『No Pier Pressure』リリース

5月 B.B.キング死去(89歳)

9月 ジェフ・ベック来日公演(Blue Note JAZZ FESTIVAL出演、東京、大阪)

11月 エルトン・ジョン来日公演(大阪、横浜)

 

2016年

1月 シカゴ来日公演(大阪、愛知、横浜、仙台)

1月 グレン・フライ死去(67歳)

2月 エルトン・ジョン『Wonderful Crazy Night』リリース

4月 ボブ・ディラン来日公演(東京、仙台、大阪、名古屋、横浜)

4月 エリック・クラプトン来日公演(日本武道館

4月 ブライアン・ウィルソン来日公演(東京、大阪)

5月 ボブ・ディラン『Fallen Angels』リリース

5月 エリック・クラプトン『I Still Do』リリース

5月 ディープ・パープル来日公演(札幌、函館、仙台、福島、東京、大阪、名古屋)

7月 ジェフ・ベック『Loud Hailer』リリース。

9月 ザ・ビートルズ『Eight Days a Week – The Touring Years』公開

10月 リンゴ・スター&ヒズ・オールスター・バンド来日公演

10月 ボブ・ディラン ノーベル文学賞受賞

11月 ジェフ・ベック「THE CLASSIC ROCK AWARDS 2016」(東京)に出演

12月 ザ・ローリング・ストーンズ『Blue & Lonesome』リリース

 

2017年

1月 ジェフ・ベック来日公演(横浜、仙台、岩手、東京、大阪、福岡、広島、名古屋)

3月 ボブ・ディラン『Triplicate』リリース

4月 スティーヴン・タイラー来日公演(大阪、東京)

4月 ポール・マッカートニー来日公演(東京のみ)

4月 ディープ・パープル『Infinite』リリース

5月 ザ・ビートルズ『Sgt. Pepper』50周年エディション リリース

9月 リンゴ・スター『Give More Love』リリース

 

2018年

7月 ボブ・ディランFUJI ROCK FESTIVAL」に出演

9月 ポール・マッカートニー『Egypt Station』リリース

10月 ディープ・パープル来日公演(千葉、名古屋、大阪、広島、福岡)

10月 ポール・マッカートニー来日公演(東京、名古屋)

10月 エリック・クラプトン『Happy Xmas』リリース

11月 ザ・ビートルズThe BeatlesWhite Album)』50周年エディション リリース

 

2019年

4月 リンゴ・スター&ヒズ・オールスター・バンド来日公演(福岡、広島、仙台、福島、東京、名古屋、大阪)

4月 エリック・クラプトン来日公演(日本武道館

9月 ザ・ビートルズAbbey Road』50周年エディション リリース

10月 ジンジャー・ベイカー死去(80歳)

10月 リンゴ・スター『What’s My Name』リリース

12月 ザ・フー『WHO』リリース

 

 

 

リイシューやライヴ音源の公式リリース

上記には記していないが、ジミー・ペイジレッド・ツェッペリンの全アルバムをリマスターして2014年から2015年にかけて再リリースしている。

 

他にも2016年にビートルズが再リリースした『Live At The Hollywood Bowl』、2017年にローリング・ストーンズがリリースしたBBCライヴ盤『On Air』など、重要なリイシューやライヴレコーディングの公式リリースも少なくない。

 

またジミ・ヘンドリックスの未発表スタジオ音源や今までブートレッグで出回っていたライヴ音源の公式リリースも数多くあった。

 

日本公演を収録した作品のリリース

2010年代に来日公演を行ったアーティストたちが、日本公演の様子をおさめた映像や音源を公式リリースしている。

 

とくに以下の2作品は「日本のファンでよかった」と思わせてくれる感動のDVDだった。

 

エアロスミス『Rock for the Rising Sun』(2013年リリース)

2011年11月に行われたジャパンツアーの模様を収録したドキュメンタリー映像。東日本大震災から約半年後の日本各地をめぐる様子と、各会場でのライヴパフォーマンスが多数含まれている。 

ロック・フォー・ザ・ライジング・サン【DVD/日本語字幕付】

ロック・フォー・ザ・ライジング・サン【DVD/日本語字幕付】

  • 出版社/メーカー: ワードレコーズ
  • 発売日: 2013/06/19
  • メディア: DVD
 

 

エリック・クラプトン『Planes, Trains and Eric』(2014年)

ワールドツアーとしては最後になる2014年のツアーをおさめたドキュメンタリー映像。シンガポールアラブ首長国連邦バーレーンでの模様も含まれているが、日本での映像が最も多い。「自分にとって日本は特別な場所だった」とクラプトン自身が語っているのを見ることが出来る。

エリック・クラプトン / プレーンズ、トレインズ&エリック ~ ジャパン・ツアー 2014(DVD)

エリック・クラプトン / プレーンズ、トレインズ&エリック ~ ジャパン・ツアー 2014(DVD)

  • 出版社/メーカー: ヤマハミュージックアンドビジュアルズ
  • 発売日: 2014/10/22
  • メディア: DVD
 

 

他にもジェフ・ベックの2014年の東京公演をおさめた『Live in Tokyo』や、ディープ・パープルの2014年の日本武道館公演をおさめた『... To the Rising Sun in Tokyo』なども嬉しいリリースだった。

 

衰えず、減速すらしない70代のアーティストたち

こうして振り返ると、2010年時点で活動的だった人の多くがこの10年間を通して一貫して活動的だったということが分かる。

 

ひとつの例として、この10年間で来日した回数を数えてみると以下の通り。

ジェフ・ベック 5回(フェスティヴァル出演や授賞式での演奏を含む)

ボブ・ディラン 4回(フジロック出演を含む)

エリック・クラプトン 4回(スティーヴ・ウィンウッドとの共演を含む)

ポール・マッカートニー 4回(キャンセルされた2014年を除く)

 

リンゴ・スターは来日公演を3回行った一方、スタジオアルバムを2~3年に一度のスピードでリリースしており、10年間で合計5タイトルを発表してきた。

 

ローリング・ストーンズについては来日公演は2014年の1回だけだが、

2012 ~ 2013年 50 & Counting Tour

2014年 14 On Fire Tour

2015年 Zip Code Tour

2016年 América Latina Olé Tour

2017 ~ 2019年 No Filter Tour

と、文字通り延々とツアーを続けている。

 

ディラン、ポール、リンゴ、ストーンズ、クラプトン、ベックといった人たちはみな2010年の時点では60代だったが、今では全員70代、リンゴは来年80歳を迎える。

 

彼らは2009年までの数十年間に続き、2010年以降の10年間も第一人者としてやり続けてきたわけで、そう考えるとこの人たちのパワーのすごさに驚かされるとともに、何よりもファンとして時間を共有できたことをとても幸せに思う。

 

正直言って2010年にZepp Tokyoボブ・ディランを観たときに、まさか10年後の2020年になってもディランが日本に来てくれるなどとは想像しなかった。

 

彼らはまだまだやってくれると思う。

 

だから2020年代もファンとして彼らの音楽を聴き続け、ロックの歴史を追いかけていきたい。