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ジェフ・ベック 2017年1月30日@東京国際フォーラム

 

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ジェフ・ベックの2017年来日公演が現在開催中。

東京公演は1月30、31日の2日間、東京国際フォーラムで行われている。

 

来日は(おそらく)通算16回目。

ジャパン・ツアーとしては2014年以来3年ぶりとなる。

 

もっとも2015年には「ブルーノート・ジャス・フェスティヴァル」(Zepp TokyoZepp Nambaでもそれぞれ1回ずつ公演あり)、2016年には「クラシック・ロック・アワード」に出演しており、4年連続の来日となった。

 

セットリストは以下の通り。

 

  1. The Revolution Will Be Televised (ロージー・ボーンズ on vocal)
  2. Freeway Jam
  3. Lonnie on the Move
  4. Live in the Dark (ロージー・ボーンズ on vocal)
  5. The Ballad of the Jersey Wives (ロージー・ボーンズ on vocal)
  6. You Know You Know
  7. Morning Dew (ジミー・ホール on vocal)
  8. A Change Is Gonna Come (ジミー・ホール on vocal)
  9. Big Block
  10. Cause We've Ended as Lovers
  11. O.I.L. (Can't Get Enough of That Sticky) (ロージー・ボーンズ on vocal)
  12. Thugs Club (ロージー・ボーンズ on vocal)
  13. Scared for the Children (ロージー・ボーンズ on vocal)
  14. Beck's Bolero
  15. Blue Wind
  16. Little Brown Bird (ジミー・ホール on vocal)
  17. Superstition (ジミー・ホール on vocal)
  18. Right Now (ロージー・ボーンズ on vocal)

 

(Encore 1)

  1. Goodbye Pork Pie Hat~Brush with the Blues
  2. A Day in the Life

 

(Encore 2)

  1. Going Down (ジミー・ホール & ロージー・ボーンズ on vocal)

 

 

【50周年記念】

今回の来日公演はジェフ・ベック「デビュー50周年」を記念したライヴということになっている。

もっとも、ベックはプロのギタリストとして1965年にヤードバーズ、さらにはその前にザ・トライデンツで活動を開始している。

さらに50周年としては昨年8月に「50 Years of Jeff Beck」という記念ライヴをハリウッド・ボウルで行った。

 

一方2017年は、1967年3月にジェフ・ベック名義でリリースされたシングル盤「Hi Ho Silver Lining」から数えて50年、つまりソロ・アーティストとしての50周年と考えることができる。

また、今回演奏された「Beck's Bolero」は「Hi Ho Silver Lining」のB面に収録されていたものであり、その意味でインストルメンタル・ギタリスト、ジェフ・ベックの半世紀を記念していたかもしれない。

 

今日の2回目のアンコールが終わった後、観客のスタンディングオベーションにこたえて「Thank you for having me for all these years」(長年私を迎え入れてくれてありがとう)と言っていたのも、やはりひとつの節目を迎えたという意識があったのだと思う。

 

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【実質は「Lound Hailer ツアー」】

しかし、何十年記念であろうがジェフ・ベック本人の興味の対象は過去を振り返ることではないように見える。

 

演奏曲目に関する限り「50周年ツアー」というよりも「Loud Hailer ツアー」と呼ぶほうがふさわしい。

2016年7月にリリースされた最新アルバムの収録曲は全部で11曲。そのうちの7曲が今回演奏された。

 

ベックにとっては最も新しい曲こそが最も聴かせたい曲なのだ。

何よりも、横で若い女性がエネルギッシュに歌っているにもかかわらず、72歳のジェフ・ベックが最もエネルギッシュで若々しく見えたことに驚かされた。

 

 

 

 

 

【イギリスの若手「Bones」の参加】

毎回少しずつ変化があるジェフ・ベックのライヴだが、今回の特徴はイギリスのバンド「Bones」の参加であった。

メガホンでメッセージ性の強い歌詞を叫んだり、ベックの横で踊りながら歌う若い女性の登場は、私たちが今まで慣れ親しんできた「神業に酔いしれる」ためのライヴとは趣を異にした。

しかし彼女たちの存在がベックのギターを殺してしまうことは決してなかったし、『Loud Hailer』のメッセージを伝えるためにはヴォーカリストは当然のことながら不可欠である。

 

ボブ・ディランもそうだが、ジェフ・ベックという人はファンを待ってくれない。

自分がどんどん先に進んでゆき、ファンはその後を追いかける、というのがいつものことである。

 

個人的には「Thugs Club」の歌詞が、まさに今月のトランプ政権誕生とその余波に重なり合っていることを意識せざるを得なかった。

 

あれは金持ちの戦争

金持ちだけが勝つ戦争だ

自分のタワーから人々が苦しんでいるのを見下ろしている

だが、私たちはもうあなたの引き起こす戦争に参加するつもりはない

(「Thugs Club」)

 

今こそ『Loud Hailer』が多くの人に聴かれ、歌詞のメッセージが広く伝わるべきときのように感じる。 

 

ラウド・ヘイラー(スペシャル・エディション)

 

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