エリック・クラプトン 2016年4月19日@日本武道館 賛否両論のセットリストについて追いかける

f:id:musique2013:20160419181411j:plain

 

 

 

4月13日から日本武道館でライヴを行ってきたエリック・クラプトンの日本公演は、4月19日その最終公演が行われ幕を閉じた。

 

最終公演では、クラプトンは終始上機嫌に見えた。

 

歌唱力は全く衰えを見せず、むしろ2014年の来日公演の時より声がよく出ていたようだ。

 

ギタープレイも期待を裏切らない名人の演奏を聴かせてくれた。

 

クラプトンは2015年はツアーをしておらず、人前で演奏する機会が以前より少なかったはずだが、おそらくその間も練習を怠らず腕を休めなかったのであろう。

 

特に「Gin House」で聴かせたギターソロは名演奏であった。

 

 

 

【賛否両論のセットリスト】

セットリストは初日から5日間にわたって変更はなく、最終日まで同じ曲目で貫かれた。

 

今回の選曲については、「Layla」「Tears in Heaven」「Sunshine of Your Love」などをやらなかったこと、クラプトン以外のミュージシャンがリードヴォーカルを担当した曲が多く含まれていたことなどが指摘されていた。

 

往年の代表曲を望んでいたファンたちの期待には必ずしも応えきれていない内容だったことから、初日から「賛否両論のセットリスト」として話題になっていたようである。

 

あらためて曲目を振り返ると、クラプトン自身が書いた曲は「Circus」と「Wonderful Tonight」のみであり、他はすべてカヴァー曲で構成されていることがわかる。

 

また現時点ではリリースされていないニューアルバム『I Still Do』からも4曲が演奏されているが、それらもJJケイル、ボブ・ディラン、スキップ・ジェームズなどカヴァー曲ばかりであった。

 

残念なことだが、(わずかではあったが)演奏の途中で席を立つ人が見受けられたことも事実である。

 

 

【ニューアルバムへの期待】

前回2014年2月の来日公演では、当時の最新アルバムであった『Old Sock』からは一曲も演奏されていない。

 

一方、わずか1か月前とはいえ、まだリリースされていないアルバムから4曲も披露するというのは、クラプトンのセットリストとしては珍しいことである。

 ※「Somebody Knocking on My Door」はライヴ・ヴァージョンがDVD『Slowhand at 70』でリリースされている。

 

今回のクラプトンは、過去のヒット曲オンパレードに終始したりはしなかった。

 

むしろ自分がやりたい曲、聴いてほしいと思う曲を積極的に選んでいることが分かる。

 

今回のセットリストは、文字通り「私は続ける(I still do.)」というクラプトンの前向きな意思表明ととらえることができる。

 

よって私は「賛」の側につきたいと思う。

 

 

 

【セットリスト(アコースティックセットおよび担当ヴォーカリスト)】

すでに今回のセットリストは広くシェアされているが、ここではクラプトン以外のミュージシャンがリードヴォーカルを担当した曲について「Vo.」としてそのバンドメンバー名を記した。

 

また「アコースティック」と記した曲はクラプトンがエレキからアコースティックに持ち替え、椅子に座って演奏した曲を表す。

 

それ以外はすべてクラプトンがエレキギターを演奏しリードヴォーカルを担当した。

 

  1. Somebody's Knocking on My Door
  2. Key to the Highway
  3. Hoochie Coochie Man
  4. Next Time You See Me(Vo. ポール・キャラック)
  5. I Shot the Sheriff
  6. Circus(アコースティック)
  7. Nobody Knows You When You're Down and Out(アコースティック)
  8. I Dreamed I Saw St. Augustine(アコースティック)
  9. I Will Be There(アコースティック)
  10. Cypress Grove(アコースティック)
  11. Sunshine State(アコースティック、Vo. ダーク・パウエル)
  12. Gin House(Vo. アンディ・フェアウェザー・ロウ)
  13. Wonderful Tonight
  14. Crossroads
  15. Little Queen of Spades
  16. Cocaine

 

(アンコール)

  1. High Time We Went(Vo. ポール・キャラック)