キース・リチャーズ 『Crosseyed Heart』 リリースへ
キース・リチャーズのソロアルバム『Crosseyed Heart』が2015年9月18日にリリースされる。
1992年10月にリリースされた前作『Main Offender』以来23年ぶりのスタジオ・アルバムとして、すでに注目を浴びている。
キースのソロプロジェクトである「the X-Pensive Winos」のメンバーによってレコーディングされており、1曲を除いた収録曲のすべてがキースとドラマーであるスティーヴ・ジョーダンによる作詞作曲。
【リリースまでの経緯】
2011年、すでにキースは「新しいソロアルバムが出来つつある」と語っていた。
しかし、その半年後にはストーンズがツアーに向けてリハーサルを開始したというニュースが流れ始めた。
翌2012年、ストーンズはデュー50周年を祝う「50 & Counting」ツアーを開始し、これが2013年まで続いた。
さらに2014年も日本公演を含む「14 on Fire」ツアーが始まった。
2014年9月になると、いよいよソロアルバムが完成したというニュースが伝わっていたが、リリースについてキースは「ストーンズのツアーが終わった後だから、来年(2015年)だな」と述べていた。
この時点では2015年の「Zip Code」ツアーは発表されていなかったが、すでに決まっていたということだろう。
そして2015年7月15日のカナダ・ケベック公演で「Zip Code」ツアーが終了すると、その直後にこのニューアルバムが正式に発表となった。
7月17日、ファーストシングル「Trouble」がリリースされた。
我々ファンにとってはじっくり待たされたアルバムとなったが、レコーディングそのものもじっくり行われたようである。
アルバム作りは急いで行わなかった。
月に一回か二回、このニューヨークのGermanoスタジオに(エクスペンシブ・ワイノズと)集まった。
一日に数曲だけ演奏して、数曲のトラックをレコーディングしていった。
いつもレコーディングするときは「もうあと5日しかない」という気分だったが、このレコードはじっくり時間をかけたんだ。
【ストーンズのニューアルバムは…?】
いったんツアーを終えたストーンズだが、スタジオアルバムはちょうど10年前にリリースされた『A Bigger Bang』が今のところ最後となっている。
2015年4月に行われたインタビューでキースは「ストーンズのニューアルバムについて話している」といいつつも、「何も決まってはいない。メンバーをスタジオに戻したいと思っている」と述べるにとどまっている。
【ニューアルバムリリースに伴うキースの動き】
今回の『Corsseyed Heart』がリリースされる9月18日その日に、今話題になっている動画配信サービスNetflixでキースのドキュメンタリー『Under the Influence』が放映開始になることが決まっている( 日本での配信開始は未定)。
また過去の2枚のソロ・アルバム『Talk Is Cheap』と『Main Offender』のデジタルリリースも発表された。
キースは『Crosseyed Heart』リリースに伴うソロツアーなどは考えていないとしながらも、新しいアルバムを出した後はいつもそれをツアーで演奏してきた、とも付け足しており、ソロライヴの可能性を匂わせている。
【「つねにインスピレーションを得ている」】
最後に、キースの公式YouTubeチャンネルにアップされた最近のインタビューで、彼の曲作りに対するコメントに注目したい。
どんなものにも、誰が演奏するものにも、その背後にはインスピレーションと言うものがある。
ミュージシャン、とくにソングライターにとって、インスピレーションを得ることを止めることはできない。
レストランでディナーの最中、別のテーブルの会話が耳に入り、そこで「これが曲になる」という瞬間がある。
ナプキンとペンをくれ!っていうことになるんだ(笑)
そこで話されていることに共鳴する、という感じだと思う。
たった一つのフレーズが歌になったり、全体の雰囲気になったりするものだ。