ジョン&ヨーコ 『サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ』の2枚目 “ライヴ・ジャム” について調べてみた
ジョン・レノンとオノ・ヨーコのペアで作られたアルバム『サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ』は、1972年6月にリリースされた。
2枚組みで、1枚目はスタジオ録音、2枚目はライヴ録音という構成になっている。
2枚目の通称「ライヴ・ジャム」は全6曲を収録しており、レコードのA面に当たるトラック1とトラック2は、1969年12月15日に開催されたユニセフのチャリティ・コンサートからのものである。
会場はロンドンにあるリシウム・シアターであった。
当日はジョンとヨーコのほかに、ジョージ・ハリスン、キース・ムーン、デラニー・アンド・ボニー、ビリー・プレストンらがいっしょにステージに上がった。
(中段左端がジョージ・ハリスン、左から3人目がキース・ムーン。中段右端がエリック・クラプトン、その隣がビリー・プレストン)
ステージには「WAR IS OVER, if you want it, love John and Yoko」の垂れ幕が掲げられていた。
B面のトラック3~6は、1971年6月6日にニューヨークのフィルモア・イーストで行われたライヴの録音である。
このライヴは、フランク・ザッパのバンド「ザ・マザーズ」がフィルモア・イーストで公演を行ったときに、ジョンとヨーコがアンコールでゲスト出演し、約30分間の貴重な共演を果たしたものである。
ザ・マザーズのこのライヴは1971年に『Fillmore East - June 1971 』としてリリースされている(ジョンとヨーコの参加している録音は含まれていない)。
なお、この貴重なライヴ・パフォーマンスの映像が残されていた。
『サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ』は、このような興味深い音源が含まれているが、必ずしもヒット・アルバムとはならなかった。
前年の1971年、『イマジン』がリリースされ大ヒットとなっていた。
しかし『サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ』には、政治色のきわめて濃い強烈なメッセージを持った歌が盛り込まれており、『イマジン』の路線を引き継いだ内容を期待していたファンからは、あまり高い評価を得なかったようである。
Sometime In New York City [+Digital Booklet]