チャーリー・ワッツ 自身のドラム・キットについて語る
ローリング・ストーンズのドラマー、チャーリー・ワッツが自身のドラム・キットについて説明している動画をYouTubeで見ることができる。
ロック・ミュージシャンにはよくあることだが、チャーリーもまたまったくの独学でドラムの演奏を身に付けたと述べている。
以下、和訳。
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1956製か57年製のグレッチだ。
ラウンド・バッジだから、コレクターにとってはとても重要だね。
このようなドラムはみんなが演奏したいと思うだろう。
これを演奏し始めたのは1970年代の始めころだ。
ロサンゼルスでロニー・ウッドとセッションをしていた。
彼の多くのソロ事業の一つだったよ。
ロニーはSIRからドラムキットを借りてきた。
(訳注:「SIR」はアメリカで音楽スタジオなどを運営する会社)
そこにあったドラムの中では、このキットが人気だった。
私もこれが気に入って、ロニーとのセッションでずっと使っていたのだ。
どのタイプだかは忘れたな…
それ以来ずっと使っているよ。
私はこのオーティス・レディングの曲が好きだ。
「Going to A Go-Go」を演奏するのはすばらしいことだ。
ストレートな曲だし、グルーヴが効いている。
バンドはこのグルーヴに入り込んでしまうんだ。
「Going to A Go-Go」を演奏しているときは特にすばらしい。
タムタムが鳴り続けるのが聞こえるだろう。
私は今まで演奏を勉強したことがない。
人が演奏するのを見て、演奏方法を学んできた。
それらは私の好きなジャズ・ミュージシャンたちだった。
ジャズにとってはライド・シンバルはとても重要だ。
どのように叩くかによって音が変わる。
だが、ロック・バンドではそれほど重要ではない。
まれにとても優れたロック・ドラマーで、シンバルをうまく演奏できる人がいるが、ロックでは必要なことではない。
またエンジニアたちも、シンバルの音が他の音を消してしまうのであまり好きではない。
私はそれ(シンバルが他の音を消してしまう様子)が好きなのだ。
それが私の演奏スタイルだからね。
コントロールはできないよ。
(私が使っている)ほとんどのシンバルがとても古い。
30年間使っているものもある。
いつもすぐ壊れてしまうものもある。
だが、私が使っているほとんどのモノは何年も持つ。
ドラムだけではなく、どんなものでもそうだ。
古いシンバルのコピーも使っている。
本物はとてもデリケートで、ツアーでは運べない。
ジャズを演奏するときに使っている。
また、本来ならピアノと合わせるシンバルも、バンドではギターに合わせて使う。
このチャイニーズ・シンバルはいつもは衝突音を出すために使う。
いつもとても強く叩くんだ。
だから端っこが割れてしまう。
もともとは、私が叩くような演奏方法のために作られたシンバルではない。
衝突音を出すためのシンバルではないのだ。
だから叩き続けていると、音が細くなってしまうんだよ。