ジェフ・ベック 「Hammerhead」を再チェック
現在来日中のジェフ・ベックは、すでに最新アルバムを完成させており、間もなくリリースされるとのうわさもあるが、残念ながら日本公演の時点ではリリースに至っていない。
現時点で最新のスタジオアルバムは、2010年にリリースされた『エモーション・アンド・コモーション』である。
前作『ジェフ』のリリースは2003年であるから、スタジオアルバムとしては実に7年ぶりの作品となった。
このアルバムから2011年のグラミー賞を受賞した曲が2曲登場した。「Hammerhead」がベスト・ロック・インストゥルメンタル・パフォーマンス賞を、「Nessun Dorma」がベスト・ポップ・インストゥルメンタル・パフォーマンス賞を、それぞれ受賞している。
この時の新聞記事(英デイリー・テレグラフ 2011年2月14日)で、ジェフ・ベックの以下のコメントが引用されている。
"It just proves if you keep going you just might get there."
やり続ければいつか達成できる、ってことを証明したんだ。
二十歳で「神様」と崇められていたエリック・クラプトンや、大型バンドを率いて一時代を席巻したジミー・ペイジと比べると、ジェフ・ベックは一見地味な印象がある。
しかしこのコメントにあるように、一つの道を究め続けた本当の名人は、ほかの人たちにはたどり着けなかったところまで至ることができるのかもしれない。
この「Hammerhead」はその一つの到達点なのであろう。