ひとりで電車に乗り、過去のヒット曲をやり続けるポール・マッカートニー セットリストの選曲について語る
4月の来日公演の記憶も新しいポール・マッカートニー。
先日はロンドン発の電車に1人で乗っているところを目撃され、メディアで話題となった。
確かに、リラックスした様子のポールがいる。
新聞を読んでいたポールは途中で旧式のノキアの携帯を取り出し、メッセージをチェックしてまた新聞を読み始めた、という。
目撃者の一人はこう語っている:
「数人の人たちが立ち止まって彼に声をかけていました。写真は嫌がってましたが、とても丁寧で、喜んで会話に応じていました。ニューアルバムのことも話していましたよ」
さすがにファーストクラスの車両に乗っていたようだが、まわりにはボディガードや取り巻きの人たちはおらず、まったくの一人だったという。
過去にはロンドンにある自宅近くのバス停からダブルデッカーバス(二階バス)に乗るポールが何度も目撃されている。
このようにまったくセレブぶったところのないポールは最近、オーストラリアのインタビュー番組「60 Minutes」に出演。
ここでセットリストについての持論を述べている。
ポールは今後もツアーでは過去のヒット曲をやっていくと明言。
同時に、ほかのアーティストたちもチケット代に見合うパフォーマンスをすべきだと語った。
「もし僕が好きなアーティストを見に行っても、その人が僕の好きな曲をやらなかったら“フム~”って唸ってしまうよ」
「OK、新しいレパートリーをやってみたいっていうのは理解できる。よく分かるよ・・・でもお願いだから「Satisfaction」や「Honky Tonk Women」をやってもらいたい。新曲ばかりやらないでほしいんだ。これが自分のスタンスなんだよ」
「自分もお金を出してチケットを買ってきた。だからコンサートに来る人たちがやっていることをよく分かっている。自分がそうだったからね」
これはザ・ローリング・ストーンズのチケットが高額すぎるとしばしば批判されていることに対する、ポールの発言である。
「ファンたちがコンサートに来るときは、アーティストにやってもらいたい曲が必ず数曲ある、ということを僕は分かっているんだ。ファンたちは「Hey Jude」をやってほしい、って思っているはずだよ」
最近のストーンズのセットリストには、少なくともポールが触れた「Satisfaction」と「Honky Tonk Women」は含まれているようだ。
なおこのインタビューで「高額すぎる」と取り上げられたストーンズのチケット代だが、2012年の50周年ツアーでの最低金額は106ポンド、VIP席は950ポンドだった。
2017年6月のポンド/円レート(£1 = 約145円)の場合、これはそれぞれ約15,000円と約138,000円の計算になる。
ちなみに2014年のストーンズ来日公演では、最低金額のB席が14,000円、センターステージまでの花道を囲む「ゴールデン・サークル席」は80,000円であった。
なお、このインタビューの中でポールはこんなことも言っている。
「ビートルズの曲をやるとみんなの携帯電話が光って会場が銀河のように明るくなる。でも新曲をやると、まるでブラックホールみたいになっちゃうんだ」。